動画配信サイトで音楽を配信する際の著作権~演奏してみた、歌ってみた

投稿日:2023年7月13日

今の時代便利なもので、ライブをするにも配信だとかで演奏を披露できるようになって、いい時代になりましたよね。

とりわけ、SNSで演奏を披露してブランディングできるというのは、個人の時代にあって相性がいいと思います。

ただ、自作はともかく「誰かがつくった音楽」を演奏する場合、いわゆるカバーですね。その辺の著作権関係、みなさま考えていらっしゃるでしょうか?

今回は、そんな音楽に関する著作権について、私なりにまとめてみました。

何かの参考になれば幸いでございます。

演奏してみた、歌ってみた動画の著作権

答えを先に言いますと、「使用する楽曲が著作権管理団体に管理されている場合、原則としてカバーすることができます」。

日本では、例えばJASRACが有名ですよね。

JASRACは、音楽などの著作物の権利(楽曲、また歌詞も含む)を、著作権者から預かっている団体です。

例えばJASRACのwebページに「J-WID」があります。

こちらのページで楽曲が管理されているかどうかが検索でします。

視覚的にもわかりやすいつくりなので、あまり難しくはないと思います。

例えば、一青窈さんのハナミズキを検索すると管理状況(利用分野) のところで、演奏も配信も可能であることがわかります。

また、同JASRACの音楽を使う方の「お手続き診断」のページでも確認ができます。

ここで、「音楽の使い方であてはまるものはどれですか?」や「どのようなサイト(サービス)でのご利用ですか?」などをチェックしていくと、申請が不要なのかどうなのか?が簡単にわかるようになっております。

また、JASRACのwebページには「JASRACと利用許諾契約を結んでいるSNS」があり、そこにはYouTube、その他にもInstagramやTikTokなどで使用することができることが書かれています。↓

◆利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧

この辺りは、契約を締結しているため、基本的に著作権関係はクリアしているといってよいでしょう。

なお、twitterはその契約がないので、注意が必要です。

一方で、JASRACの管理外にある楽曲に関しては?、というと、こちらはJASRACは関係ありません。

その場合、著作権者から直々に許可をもらう必要があります。

特に、事務所に属していないような個人やインディースのアーティストの楽曲の場合、JASRACの管理外にある場合がほとんどかと思いますので注意しましょうね。

自分で演奏していれば問題なし、他人が演奏したものやカラオケは使用不可

とは言え、歌うにしろ演奏するにしろ、音源は自分で用意しなければなりません。

著作権上ではクリアしていますが、「自分で演奏していればOK」です!

ここには著作隣接権が絡んできます。

そもそもの音楽とは別に、演奏者、音源の制作者にも著作権があります(これを著作隣接権と言います)。

早い話が「他人が演奏しているもの、他人がつくった音源を使うことはできません」ということです。

著作隣接権はJASRACとは関係ないので、勘違いしないようにしましょうね。

解決策としては、

  • 自分で演奏する
  • DTMとかで打ち込みして用意する
  • 弾ける人に弾いてもらう

などがあります。

「カラオケを使えばいいんじゃない?」なんて声も聞こえてきそうですが、結論として、これも使用不可です。

カラオケの音源も企業の著作物であることが一般的ですので、やはり勝手に使うことは控えた方がいいです。

路上ライブでの注意点

配信と似たものに路上ライブがありますが、路上ライブも基本的は問題ありません。(場所の権利はともかくですが・・・)

まず、路上で演奏することに関して言えば、権利関係上の根拠として、「著作権の権利制限規定」があります。

内容を簡単にまとめると、「非営利、無料、無報酬であれば権利者の許諾なく上映、演奏などできる」というものです。

「お金儲けを念頭に入れていなければ大丈夫ですよ」というのが正しいところです。

純粋に演奏を届けたいというものであれば著作権的には問題はありません。

一方、ギターケースを開けてカンパをお願いしますと募るような、いわゆる投げ銭にあたるものはやや微妙なところです。

微妙というのは、それをするにあたり何らかの費用が発生している場合、具体的には交通費だとかそういう費用と照らし合わせた上で±0なら問題ないですよ、ということになりますね。

路上ライブの配信に関しては、演奏者が自分であれば、こちらも問題はありません。

たまにイベントとかで、主催団体が勝手にアーカイブ的にYoutubeにアップロードすることとかが見受けられますが、一応、演奏者さんにお声がけしなければなりません。

というわけで、まとめると著作権管理団体で管理されている楽曲を自分で演奏することに限り、歌ってみたり演奏してみたりすることができます。

配信の際も、そのSNSと利用許諾契約を結んでいれば使用できます。

簡単にいうと「JASRACで管理されている楽曲を自分で演奏してアップするのは問題ない」ということですね。

路上ライブにおいても、著作権上では「非営利、無料、無報酬であればOK」です。

楽曲のカバーをされている方は、是非、頭の片隅に置いておきたい情報だと思います!

カテゴリー:DTM